一次電解発色スミトーン

通常の硫酸アルマイト被膜をベースにした着色法とは異なり、特殊な有機酸電解液を用いアルミニウムの合金成分と電解条件の組み合わせにより、皮膜の基質から発色させる合金発色方法のことです。

  • 硬く、耐摩耗性が優れています

    一般的な硫酸アルマイト皮膜より、耐摩耗性が3倍以上優れている上に、切断加工時に火花が出るくらいスミトーン皮膜が硬いことから、鉄粉や砂塵から製品を守ります。

  • 耐久性・耐食性が優れています

    一般的な硫酸アルマイト皮膜には、数多くの孔(ポアー)が存在していますが、スミトーン皮膜は硫酸アルマイト皮膜の1/3以下と、孔(ポアー)が少なくなっていますので、硫酸アルマイト皮膜より、キャス耐食性が3倍以上優れています。孔(ポアー)が少ない事によって、塩水・酸性雨・亜硫酸ガス等から製品を守ります。

  • 耐候性(耐光性)が優れています

    特殊な有機酸電解液から得られたスミトーン皮膜は、紫外線・風および熱等の自然界要因による皮膜劣化からくる外観異常はなく、いつまでも美観(景観)を維持します。

  • 色の均一性がよい

    二次電解着色時の処理時間より、長い時間を費やして皮膜生成しながら、皮膜の基質から電解発色させていくため、安定した色調の均一性が得られます。

  • 20μm以上の厚膜化処理が可能です

    優れた耐久性を持っていますが、更に、50年100年と耐久性を向上させるには、皮膜厚を厚くすることが重要です。すなわち耐久性は皮膜厚の2乗に比例して向上します。例えば、10μmの20μmでは、10の2乗(=100)と20の2乗(=400)で、20μmの皮膜厚の方が耐久性が4倍以上向上されます。

  • 期待耐用年数が長く
    メンテナンス性が優れています

    期待対応年数を延長するには、定期的なメンテナンスを行う事をお勧めいたします。スミトーン皮膜は非情に硬い皮膜ですので、メンテナンス時に「たわし」洗浄して頂いても外観上、傷がつきにくいので、容易にメンテナンスが可能です。

性能比較

性能項目 性能規格値
JIS H 8601
一次電解発色法
スミトーン
二次電解着色 スーパーアノダイジング
皮膜厚さ(μm) AA20仕様 20μm 20μm 20μm
アルカリ耐食性
(比耐食性)
100秒以上
(5秒/μm以上)
225秒以上
(11.3秒/μm以上)
110秒以上
(5.5秒/μm以上)
150秒以上
(5.5秒/μm以上)
キャス耐食性 56時間
RN9以上
RN10 RN9.5 RN10
耐磨耗性
(砂落とし)
1000秒以上
(50秒/μm以上)
3500秒(破)
(175秒/μm以上)
1220秒(破)
(61秒/μm以上)
3300秒(破)
(165秒/μm以上)
表膜厚さ
(ビッカース硬度)
普通皮膜:HV200
硬質皮膜:HV350以上
超硬質皮膜:HV450以上
HV450以上
(超硬質皮膜)
HV200以上
(普通皮膜)
HV400以上
(硬質皮膜)
皮膜構造
工程概略図

工程概略図:陽極酸化による方法

工程概略図:複合皮膜による方法

工程概略図:塗装による方法

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